おまえが祟りだ

昼ごはん

ズッキーニ茄子の激辛カレー、粉ふきいも、コールスロー、ロープロテインパスタ、ブルゴーニュワイン。
神秘主義者やら美術関係やら写真関係やらの阿呆な言葉に触れて不機嫌。満腹する程に喰ったら、ちょっと落ち着いた。満腹がいちばんの精神安定剤なんだろう。
コールスローをカテージチーズ抜きで作ってみたら、同じように美味かった。ナシで行こう。タンパク質は少しでも削りたい。
通販で買った1998年物のブルゴーニュワインは美味くなかった。ハズレ。近所に、阿佐ヶ谷「柳瀬屋」さんがないとワインには不自由するなあ。


ご先祖をおろそかにしたり、神社の悪口書くと祟りがあると、ご忠告いただくことがあるんだが.....おまえが祟りだ。
神秘主義者の鬱陶しいところは、ひとの弱みにつけこんで自分の信条を吹き込んで行くところだ。そもそもが実証不能なものだから、ムリにこじつけようとすれば、いくらでも因果関係をでっちあげられる。ひとの不幸をあげつらってムリから因果関係をでっちあげておいて、「だからもっと信心しなさい」と来る。それで問題解決しない場合は、「まだまだ信心がたりない、もっと信心しなさい」といくらでもズルズルと搾り取れる構成にできあがっている。
いやな連中だ。

昨日、ひさしぶりに現代美術の展示を見に行ったら、関係者っぽい写真関係のひとが解説してくれた。「今回の展示はコンセプチュアルなものではなく、本当に好きなように、やりたいようにやった」んだそうだ。
ひさしぶりに聴いたよなあ、「コンセプチュアル」。
21世紀の現代美術も「コンセプト」とか言うのか。林家木久扇の「林家彦六のマネ」とか「いやん、ばか〜ん」みたいな伝統芸を思った。四十年も続けばオーセンティックか? でもきっと「彦六の真似」も誰か若い人がやってたら、21世紀現代美術のコンセプチュアルとかと同じで、退屈で凡庸で通り一遍な「やめちゃえば?」感の漂う、こちらの覇気を奪うものなんだろうが。

なんかねえ...。機械がカタカタ動いて音が出る...ってそりゃ、音が出るんだろうけど。「どなたのご迷惑にもならないし、公序良俗を乱す気もございません、ハプニングのマネ事がやらせていただければ、」とエクスキューズがついてからはじまるハプニング...って面白い訳がない。
「写真展」っていうんで、見に行ったら、ワイヤーで吊るされた写真で、ギャラリーの全空間が埋め尽くされてて、ギャラリーの中に入ったら、写真にひっかかって出られなくなりそうになった...っていう笠木絵津子の展示の方が、ハプニングとしてよっぽど面白い。

と、家に帰って来てから不愉快になった毛利悠子の展示。

ところが写真の世界に入った後、「(写真評論家の)IとHに献本しないのはマズい」と某関係者からいきなり耳打ちされた。実際その御仁たちと会った際、「本は献本されたのしか見ないねぇ」「キミの本、くださいよ」などと言われ、ひどく落胆した。自分の方から良い写真と出会おうとすべきではないか…

http://twitter.com/malta_shozo/status/15485600765

飯沢耕太郎」? 「平木収」? ..でもどちらもかなり積極的に探すタイプだよな。平木さんはそうでもないか。飯沢耕太郎は、ちょっとマネできない程に貪欲。あれで、「積極的に探してない」とか言われたらねえ。あそこまで貪欲に地道に探してる評論家に見つけてもらえないのは、見つけてもらえない方の努力が足りないか、単に飯沢耕太郎の興味とすれちがっているか。この丸田って人の場合は、明らかに後者だろうな。それとも、写真評論家の「I」って、「伊藤俊治」? ..でも伊藤俊治は写真集くれっていう程に勤勉じゃなさそうだよな。

美術関連の人って、「コンセプチュアルなものではなく、本当に好きなようにやってて、理屈じゃないんだ」って発言するのが好き。
写真関連には、「ボクちんはこんなに優れているのに世間が怠慢で気づいてくれない、世間が悪い」って発言すると受ける。

どっちも、基本的に言葉に対して怠慢。怠慢なら怠慢で構わないんだが、それを世間のせいにするんじゃない、みっともない。言葉で言うのが面倒なら、黙ってりゃいいじゃないか。まあ、完全黙秘ができるくらいの人格者なら、適当に紋切り型な言葉をずらずら垂れ流したりしないんだろうが。

完全黙秘できない人間にも簡単にできる「語らない」方法は、あるにはある。
「金で喋る」っていう方法。
事件屋稼業」のふぐの立ち泳ぎ氏も言ってたっけ。「オンリー・マネー・トークス」。買ったものが◎で、買わなかったものが×。実にわかりやすい批評。値がつり上がればつり上がる程に高い評価ってことになる。これは言葉なしで簡便にできる批評。

美術館による買い支えがなくなった今、美術は完全に「相場」の世界の訳だから、批評として、「気にったら身銭切って即決で購入」っていう美術コレクターの態度がいちばん真っ当って時期なのかもしれない。骨董にハマってた時期の小林秀雄ってそんなことを身体を張って表明してたのだろうか? あれもまあ、ひとつ間違うと白州正子化するんだが。

そうしてみると、世間ではゴミとして言われてるようなものを身銭切って買いまくってそれらを収納するために自費で美術館建てちゃってその上に自分の言葉で理論武装してしまった柳宗悦の「民芸」ってのは、偉業中の偉業だったのだろう。

DVD「立川談志 立川談春 親子会」を見て感動。
石原慎太郎に出くわした時の野末陳平の態度、三三花緑らの借りて来た猫みたいな縮こまり方、プロデューサーが福田和也談春側の検証の相方が堀井憲一郎等々....「ザ・タテ社会」のドキュメンタリーでもあったんだろ。
談春の「煙草吸うシーンはうちの師匠が格好良い」ってのは、僕も思った。見ながら、「談春って煙草吸わないのかなあ」と思ったもん。ニコチンが五臓六腑を染み渡る時の安心感がわかんないのかなあ、って。でも寧ろ単に仕方話の技術的な問題なのらしい。そうかも。



事件屋稼業 2 (2) (アクションコミックス)

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モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

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民藝とは何か (講談社学術文庫)

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