腎不全入院四週間(四日目)

1月31日(日)

朝食

キャベツニンジンのスープ煮無塩食パンウエハースマーガリントマトジュース

血圧195/102

向かいのベッドのじいさん、看護婦の手が冷たいと言って怒ってる。「冷たい手はやなんだよ!」「背の高い看護婦にイジメられたんだよ!」等々。

昼食

春巻もやしのサラダ和風ジャーマンポテトクッキー小松菜の吸物

血圧199/122

☆エルヴェ・ギベール、詰まんねえ。低俗で凡庸で単調で自己憐憫でグチャグチャな小説以前の代物。病棟で被害者ぶって騒ぐじじいや、歌舞伎町で一緒に働いた中国残留孤児三世の「山口さん」っていう使えない中国人のおっさんと重なって見える。「早く死なねえかなあ」と思いながらエイズ小説を読む。☆向かいのベッドのワガママじいさん、「文藝春秋」読んでるようだ。「文藝春秋」のリアル読者ってのは、被害者面のワガママな病床老人だと知って、なにやら納得する。☆盲のじいさんが、「五日にいっぺんなんだ、予定日予定日! ハハハハハ!」と殺意を呼ぶほどに詰まらないギャグを大声で何度も何度も何度も何度も連呼しながら便所へ行った。その直後、看護婦さんの「きゃーっ!」と助けを呼ぶ声。便所が詰まって溢れ出した。☆向かいのじいさんがケアマネと話してる。「背の高い看護婦に苛められてるんだ。イタズラで虐めるんだ。中国人なんだ。日本人が憎いんだ!」☆「トイレ行きたいの!」。また婆さんが騒ぎ出した。「トイレへ行きたいの! 連れてって下さい!」「トイレ連れてったら、その後座ってられる? 約束できる?」って看護婦さんが聞いたら、ウンウンとか言ってて確約しないらしい。「老獪」っていうが・・・。



夕食

茄子のラビオリアスパラガスの吸物キャベツニンジンのサラダバナナごはん

血圧196/105

便所洪水事件の後、盲のじいさんが静か。じいさん、なんか流したんだろな、きっと。☆写真って出版のニッチだったのかと今頃気付く。☆写真も出版とともに亡ぶんだろうけど、同じ亡ぶなら、イオセリアーニの登場人物達のように、ノンシャラと衰亡したいもんだ。☆寝れない。深夜の病棟でジョン・ケージトイピアノのための組曲。☆どっかの部屋でじいさんが「痛いよぉ〜、痛いよぉ〜、」と叫んでる。