「シェー」(タイの頼母子講)

Xちゃんが殺された理由は、結局はお金だった・・・
メーオの以前のママさんの弟は、Xちゃんが持っていた、シェーのお金を自分のものにしたいが為に、Xちゃんを殺害したようだった。
シェーとは、英語の Share のタイ語訛りで、日本のかつての、頼母子講・無尽講に似た、タイ社会では盛んな庶民金融のことだそうだ。

この制度を簡単に説明すると、

1:仲間うちで「講」を組み、一定額を毎月集める。

2:お金が欲しい人は、利息を払って(合計額から一定額を差し引いて)それを落札する。

3:この時、利息額の多い人が落札することになる。

4:落札した人は、当然、次回以降の入札の権利が無くなり、他のメンバー同様、翌月以降からは、所定の金額を毎月支払うようになる。

5:こうして、次々にメンバーが落札していき、メンバーの人数の回数だけ、同じことを繰り返す。

6:最後の人は、利息を払わずに、他のメンバーの利息をすべて得る。

という仕組みになる。

しかし、先に落札した人が逃げてしまうと、他のメンバーは被害をこうむることになり、実際、タイではそのような人が多く、警察沙汰になっていることも多々あるようである。

このシェーを、黄金町が崩壊したことでお金に困っている人たちの為に、何人かの女性たちが組んでいたそうだ。
そしてこのうちの一人が、Xちゃんで、最初にお金に困り、落札したのもXちゃんだった。
メーオの以前のママさんの弟は、このシェーのお金の利息の集金人をやっていたようだった。

「黄金町の天使 動機」より)