10%、1%、ギャラを払っている訳ではない


http://d.hatena.ne.jp/saisenreiha/20061027/1161939510

企業文化部課長故西村彰:例えお金を取ったとしても、普通の美術館でも企画展だと入場料は総経費の1割くらいですよね。
岡部:いろいろあって、企業や私立の美術館、個人美術館などで、50%ぐらいまでいくところもあります。経営の仕方にもよりますが、公立は大体10%ぐらいでしょうか。
西村:そんなもんですよ。五百円でも千円でもトータルすると大したことはないんですよね。

資生堂ギャラリーインタビュー
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/mecenat/SHISEIDO/interview2.html


美術家の「お客様」は、入場者ではないということだ。
90%は、文化行政その他からの出資で賄っているのだから。

「国家と資本のおめこぼし」。


岡部:で、ここは入場料収入はなしですね。
西村:なし。
樋口:計上利益の1%が目安になっています。芸術文化支援、ギャラリー運営費等すべて含めて1%が一つの目安です。ですから売り上げが落ちれば、当然活動資金も減る。
岡部:それが方針ですね。
樋口:というより目安です。極論ですが、会社が赤字になってもうちの部署の予算がゼロにはなりませんし。
岡部:メセナ協議会が設立した最初の頃、経団連の呼びかけで「1%クラブ」が発足しましたが。
西村:もともとフランスの文化予算が1%っていうところから...
岡部:資生堂の場合は、1%に人件費なども入ってますか??
樋口:いえ、そこまで入れるともっとかかります。
岡部:それに美術館もアートスペースも資生堂の持ちものですよね。
樋口:はい。これを借りていたら、とんでもないです。
岡部:そうですね。聞いたところでは、初台のオペラ・シティにあるICCは家賃がとてつもなく高くて、それで当初の予算枠で続けるのが難しいそうです。資生堂の場合はほとんどが事業費ですね。
樋口:はい、そうです。
西村:展示の会場費を含まないにしても、昔ギャラリーをやっていたときの、年間展覧会費用は7千万円くらい?
樋口:7、8千万くらいです。
西村:アートスペースもそれくらいです。
岡部:予算の他の内訳は...
樋口:メセナとか花椿、すべて含んでますから。
岡部:このカタログ支援制作の予算も数千万あるんですか?
西村:いや、そこまではいきませんよ。
岡部:年間10回、500部で、1千万円以下で出来ますか?
樋口:出来ますよ、B5サイズですから。
西村:チャップマンのときはカタログを作家にもあげようと思ったので、1000部くらい作りました。売るといっても、なかなか売れませんから...基本的に彼等にギャラを払っている訳ではないですし
岡部:そうなんですか。経費だけ?
西村:経費と一週間の滞在費、航空運賃、作品輸送費...アートスペースでは基本的にそれで出来る人でしかやってなかったんですよ、大変ですから。
岡部:販売などのディーリングはするんですか?
西村:たまに売ることはありましたよ。
岡部:作家に頼まれればやるけど、方針としてはやらないのですか?
西村:私達には売る能力がありませんから。売るとなると、違う努力が必要ですから。顧客を持つだとか、そこまでは出来ません。

資生堂ギャラリーインタビュー
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/mecenat/SHISEIDO/interview2.html


美術館にしろギャラリーにしろ、展覧会は、美術家の収入には、ならないということか。画集、写真集も収入にはならない。
・・・・・・・・・・・・。
作家にはギャラは出ない。では、「1%=7、8千万」はどこへ????