二百石はいくらか?


気になって、wikipediaで、「水戸学」を調べる。
なんだかよくわかんないのが、「大日本史」の編纂が藩の財政を圧迫したっていう記述。年間財政収入の三分の一を使ったんだそうだ
なんで????
考えられるのは、人件費だけだ。
水戸学者たちの禄高が上がって、財政を圧迫してたのか?
今の地方公務員みたいなもんか。今も地方公務員の人件費を賄うのに、減収補填債とかがんがん発行してるんだもんな。
してみると、藤田東湖とか、実は、超高給地方公務員で、藩の財政逼迫の大元だったのか?

藤田東湖の禄高は、200石だったそうだが、200石って、年収いくらぐらいなんだろ?

「一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当する」=人間一人一年間の人件費ってことにして、「一石」で一人分の最低生活費と換算して、一石=12万×12ヶ月=144万。
一石=144万円とすると、200石=2億8800万円????
おおーっ!!
思いっきり安く見積もって、兵士ひとり月五万で喰わせられるとしても、一億二千万円!!!・・・・・宝くじだね。安く見積もっても毎年宝くじ当たってるようなもんか。
藩主の相談役ってことは、水戸市だか茨城県だかの助役だか副知事だろ? 助役の年収が一億超してたら、財政も破綻するよねえ。
なんか間違ってる気もしつつ、「そりゃあ、幕藩体制もたんわ」と納得してしまう。



いくらなんでも多すぎるような気がする。
計算しなおし。
どうも「一石」に対してひとり兵士を放出することはなかったらしい。
これもwebで見ただけでもいろいろばらつきばあってよくわからん。
それにしても、一万石で百五十人〜三百五十人くらい。
となると、二百石で、三人から七人。
人件費を最低生活水準(年144万円)に設定すると、432万円〜1008万円。これを戦時に放出することが可能な財政って・・・・・・よくわからん。
弁当屋だと人件費は25%以下なのだが、まあ地方官僚に元手やらがいる訳もないので、学校法人の人件費の感覚でざっくり50%が人権費として考えると、
年間予算:864万〜2016万円。

これが兵隊さんが最低生活水準(日雇い派遣しか使えないってことでしょう)だとした時。
兵隊の生活水準を引き上げて、自衛隊のレベルにすると、平均給与は、年間800万円だそうだ。
自衛隊員三人から七人を動員しようと思うと、2400万円〜5600万円。
これを常勤で雇っておこうと思うと、
年間予算:4800万〜1億2000万円。

幅がありすぎる・・・・。
兵隊は三人放出できるとして、ひとりは常勤の自衛隊員クラスで、残り二人は日雇い派遣で間に合わせるとして、
(800万×ひとり)+(144万×二人)=1088万円。
人件費50%として、年間予算2176万円。
しかし、この割合で兵隊だされたら、弱いだろうなあ・・・。

最低三人は出せるんだから、兵士五人のうち三人は常勤の自衛隊員で、残り二名は日雇い派遣とすると、
(800万×三人)+(144万×二人)=2688万円
人件費50%として、年間予算5376万円。

このあたりが妥当かな?
二百石=5000万円

でも弁当屋一軒(一日の売り上げ25万円くらい)で、年商一億だろ?
兵隊三人も五人も雇おうと思ったら、やっぱり二億くらいはいるような気もする。



水戸藩も幕末には「天狗党の乱」とかで、暴動おこりまくって、藩内は内戦状態だったらしいが、なんとなく国鉄末期の労働者同士の殺し合いを思い浮かべている。
「侍」って地方公務員だった訳だし、国鉄職員ってのも公務員だったんだもんね。
鎮派vs激派っていうが、国労vs動労とか動労内部の仲間割れの殺し合いとかの感じなんだろう。動労千葉でさえ火付けまではしなかった訳だが、国鉄職員が手にしてたのがバールでなくて刀だったら、天狗党の乱みたいになってたのかもね。
マフィア化した地方公務員が惹起した内戦。
幕末の争乱ってそんな感じで捉えてる。



追記:
2013年1月4日
磯田道史武士の家計簿」を読んでたら、計算が出てた。
「一石=27万円」だそうだ。
ってことは、藤田東湖の年収は、「5400万円」!!
そりゃあ、地方自治体の財政を圧迫するだろうなあ。
(それにしても、二百石=5000万円って推理はかなり近かったようだ。意外に優秀だね、自分。ちょっと嬉しい。)


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