平和を祈る集会に出席した


平和を祈る集会に出席した。
右隣の人から書き付けを手渡されて、手を取りあって丸く輪をつくるんですよ、と教えられたので、なんだかわからないままに、「手をつなぎましょう」と左隣の人に声をかけつつ、右隣の人と手をつないだ。左隣の人は拒否。「まあそうだわな」とおもっていたら、あれよあれよと言う間に右回りでほぼ全員が手をつなぎ、僕の左側の人数名だけが拒否する形。「じゃあ立ち上がって、その人たちは抜かして丸くなりましょう」ということになって、手を取り合って会場の真ん中に集まった。
みんな口々に僕に向かって、「次はどうすればいいんです?」と訊く。右隣の人から手渡された書き付けに書いてあった文句を思い出しながら、「こう唱えながら、みんなで廻るんですよ」とか適当に応えたら、全員、その文句を唱えながら、廻り始めて異様な盛り上がりをみせる。
集会が終わると、みなが僕のところへ来て、「いや、素晴らしかった! またお願いします!」と声をかけていく。「いや、僕は右の人から伝えられただけで..」と言うと、右側の人は、そんなことは言っていない、紙も渡していない、あなたがおはじめになったんじゃありませんか!と言っている。そういえば、僕に書き付けを渡したのは違う人だった。でも僕も手渡されて、こうしましょうと言われただけなのだ。「いや、ここに..」と胸ポケットにねじ込んだ書き付けを取り出そうとしたら、書き付けがない。ぐるぐる廻っているうちに失くしたらしい。
 その後、その「平和のための祈りの集会」は全国にひろがり始め、「ここまで来たら法人化して組織だてた方がいいですよ」って話になって、宗教法人になり、いつのまにか、僕は、その新宗教の始祖ということになってしまっていて、公安警察に調査されてる、っていう夢を見た。


信者の人たちがいろいろ訊きに来るんで、「書き付けには、こう書いてありましたよね」とか適当にでっちあげているうちに、みんななんでも僕に訊きに来るようになって...って感じがすごく怖かった。
宗教法人化してからは、信者の証しに、ジェダイ騎士みたいなガウンを頭から羽織っている。