杉田真珠のこと


「杉田真珠」のことを考えているのだろう。
若しくは「杉田真珠的なこと」のことを。


彼女の悲劇は、ひどく陳腐で、笑いごとに映る。
悪い。悪いが、笑えてしまえるものは笑えてしまえる。 他人の悲劇なんてそんなものなのかもしれない。 でもやはり笑い飛ばして忘れられるものでもない。


わかんないもんだよねえ、という思い。 くだんねえなあ、という思い。
「刺す」という行為についてはなぜかよくわかる。深川さんって刺されそうな人だもん。個人的には深川さんのこと嫌いじゃないし良い人だと思うけど、「刺された」と聴いて、「刺されるかもなあ」と思いあたる部分はたくさんあるから。
でも痴情のもつれで、誰かを「刺す」かなあ? 刺さないだろうなあ。 そもそも「痴情のもつれ」ってよくわからないし。
結婚して子どもがいる人と恋愛して、それがさらに「制度的に」承認される? そんなこと、そもそも望んだことがない。
別に一方的に好きなだけでいいじゃん、めんどくせえ。 その先を望む程に、恋愛やら性愛やらに多くを望んでないんだろう。 この辺りは、「得手」「不得手」の問題だと思っている。「もてる」「もてない」と言い換えてもいい。 野球が得意じゃない人間にはキャッチボールすら苦痛であるように、性愛が苦手で風俗サービスへさえ行こうと思わない人間には、恋愛やら苦痛なだけだから。無理せず友人でだらだらつづいてれば、それでいい。むこうもとしをとり、腰回りに肉がつき、髪がうすくなり、皺が増え、歯が衰え・・・・。僕もあいかわらず汚く醜くそれなりに生きていて・・・。いいじゃん、別にそれで。


たかの友梨が、「『おんなは両手で恋をする、おとこは片手で恋をする』っていうけど、両手で恋しちゃだめよ」とか言ってたっけ。
杉田さんは、両手で恋してたんだろう。
男女を問わず「両手で恋する」とわけわかんなくなるんだろうなあ。 中川信夫監督「生きてゐる小平次」なんて映画があったけど、あれは両手で恋しちゃった男の話だった。コヘイジ、コガツク、コジキノコ・・・と遊んでいればいいものを。救いはないよね。



そんなことを考えながら、YouTubeで「夏目友人帳」を見ている。 女の子たちは、相手から気づいてもらえないっていうのが、辛いんだろうなあとか思いながら。
矢野顕子も「ラーメン食べたい」で、「あきらめたくない」「わたしのことどうぞ思い出して」とか唄ってたもんなあ。ラーメン食べる時なんて、「ハラ減った」とか「熱い」とか「ライスも頼めばよかった」とかぐらいしか考えたことないけど。





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オーエスオーエス

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