(mixiから)
☆マンガ:森田信吾「明楽と孫蔵」を読んでる。実は、途中までしか持ってない。ずっと途中までで終わってるんだと思ってた。確か「作者病気のため休載」かなんかだったように記憶してる。しばらくして、「森田信吾、死んだんだって」と聞いた覚えが。これまた十年近く前。
☆当時(1995年から98年頃かな?)、とっても殺伐とした世相(!)がひろがりつつあった。でも、マンガがまるきりそれに追いつけなくなって来ていた。ビッグ・コミックにしろモーニングにしろ、ほんとに外してた。「がんばれ、サラリーマン! 明日があるぞ!」なネタばかり。
原因は、編集者の力が妙に強くなって来てたことにあったんだと思っている。バブル入社組のリーマン編集者が「アイデア」を出して、漫画家が「おーっ! それ、いいっすねえ!」とヨイショする図式。編集者=正社員。漫画家=出入りの業者。って感覚がひろがりつつあったんだと思う。もろに編集を主人公にしたマンガが連載されたり・・・。だれが読むんだ? そんなもん。
タテ社会の力学に乗っかっている「正社員」たちには、禍々しいものに触れた時にだけ放たれる、人々を幻惑へ引きずり込む漫画/劇画の魔力の源泉がどこにあるのかまるきりわからなかったのだろう。
だが、世間的には、石川賢がリバイバルブームだったかもしれない。(マンガ外の人たちにね)。「ゲッター・ロボ」ASIN:4575935956 がTシャツになったりしてた。斧(!)を持ったゲッターロボが、ぼろぼろになってオイルをだらだら漏らしながら戦ってる図とか。 それが、「ジャスト!」な感覚だったんだと思う。マンガ関係の人たち(「正社員」と、彼ら/彼女らに取り入る「出入り業者たち」)がフォローできなくなっていただけで。
☆そんな中で森田信吾「明楽と孫蔵」だけが気を吐いていた。「劇画はアクションだ!」とばかりに、侍がジャンプしたり蹴ったり殴ったり。殴れば相手の顔が歪み歯が折れ血が飛び、切れば内臓が飛び散り骨が剥き出しになり血管がびろびろと垂れ下がる! 徹底して「勤皇=悪玉」の図式を打ち出してたのも面白かった。
が、途中で終わっていた。
まあ、仕方ないか、こういうことはよくあるもんな、作者が死んじゃどうしようもない、と途中までの巻を何度も繰り返し読みながら、過ごして来ていた、この十年。
☆ここ2、3日も、また読み返していた。ふと気になって、「森田信吾」で検索してみた。生きてた。「明楽と孫蔵」も検索してみた。全12巻で完結していた。
・・・・・・・。
☆注文した。
森田信吾「明楽と孫蔵」双葉社
(1) ASIN:4575820857→(12)ASIN:4575823635