セミの悲鳴


セミの寿命は、七日間」って、人間目線。
セミの寿命って、約七年ってことだろ? で、死ぬ間際の七日間だけ地上で喧しく大声上げて泣き叫ぶ。セミの「ミーンミーン!!」って、人間語に直せば、「痛いよ〜っ! 苦しいよぉ〜っ! 助けてくれぇ〜っ!」っていう病院で老人たちが上げる悲鳴だよね。死にかけると大騒ぎするんだよ、セミも人間も。そんなもん、夏は涼しく冬は暖かな土ん中でぬくぬく暮らしてる方が愉しいに決まってるじゃないか。セミにとって地上は、病院や施設やらと同じもの。
空蝉は、若くてしあわせだった頃の姿だね、もう二度と戻る事のできない。老いさらばえてこんな姿になって木に停まってる惨めな自分に耐え切れずに悲鳴を上げて騒ぎまくってるのが、夏のセミ

「ミーンミーンミーンミーン!! 苦しいよぉっ! 痛いよぉっ!死にたくないよぉっ! もっと土ん中にいたかったよぉっ! ミーンミーンミーンミーン!.....」