「カレーライス」の起源


ハヤシライスを考案したのは、丸善創業者の早矢仕有的氏だが、カレーライスを伝えたのは、紀伊國屋の家令だそうだ。「家令が伝えた」から「家令ライス」と呼ばれ、のちに「カレーライス」と表記されるようになった。
紀伊國屋は、初代紀伊國屋文左衛門以来、みかんの販売で知られ、幕末以後は海外からのフルーツ輸入(主に台湾バナナ)で事業展開していたが、戦中戦後を経て、紀伊國屋本家は書籍販売へと大きく事業転換。フルーツ部門は分社化、のちに「タカノフルーツ」へと合流して、紀伊國屋書店本店近所に店舗を構えた。
さて、「家令ライス」の方はといえば、紀伊國屋家令により、紀伊國屋書店本店の道路を挟んだ斜向かいで販売、店名は紀伊國屋家令の名前を取って「中村屋」を名乗るようになり、現在に至る。
そんな訳で、新宿紀伊國屋書店の界隈には、カレー屋と果物屋が近接している。
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これが、カレーライスの起源と紀伊國屋書店の因縁であるなどという事実は一切ない。