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松濤美術館で「ポーランド写真」。
 選び方の問題なのかモノクロばっかだったからなのか、戦前と社会主義体制下と連帯の頃と89年以後の変化がわかんなかった。どれももやもやもこもこした写真ばっかの印象。
 キャプションが妙に低い位置にあって読めたもんじゃないし、額入り写真のガラスがぴかぴか反射するし、経費節減なのかなんなのか湿気がこもって暑いし、展示室の真ん中に喫茶スペースがあってそこに陣取った老婦人3人組の声が響いてうるさいし、エレベーター・ホールには薄気味悪い油絵がかけてあるし。不快。おちつきゃしない。とっとと出た。

☆「ダ・ヴィンチ・コード」。シネセゾン渋谷。つまんなかった。
 スジが通らない気がして、ずっと苛々。ダ・ヴィンチってルネサンスの人だよね? マグダラのマリアとかって当然イエス存命の時代。間に千数百年の隔たりがある。歴史の警察なんだろ? 一気に十何世紀もとばすなよ。
 マグダラのマリアのことを探るなら、舞台はヨーロッパではあり得ないし、美術学者が関わる余地はない。新約学者の範疇。ダ・ヴィンチの図像解析がやりたいなら、イエスの時代の謎解きはあきらめるしかない筈。ダ・ヴィンチニュートンがなんでつながるのかも納得できない。
 妄想話でおさめておけばいいのに、歴史探訪をしちゃうからぼろがあからさま。梅原猛の轍。印刷された字をにらんで記号分析すると奇抜なアイデアが浮くのかもしれんが、それを歴史の現場に持ち込んじゃだめだよ。
 イコノロジーにしろ新約学にしろ、陰気な程に緻密な学問。上っ面をなぞるような梅原猛読みでいじるとぼろがぼろぼろに見える。
 映画も顔ばっか。名所旧跡ばかりをロケしようとしたせいなのかなんなのか。字幕読みに行ったような気分。ベストセラーの映画化ってのは無理が来るっていう教訓かも。ロン・ハワードにサスペンスってのも無理があったのかもね。

☆しかし、暑気と湿気でぐしょぐしょの一日。蒸されるようにして街を歩くと時々一塵の涼風が。涼風は、ビルから吹き出るエアコンの余り風。美術館と映画館が涼しくない。中央線がいちばん涼しい。