レコードプレーヤー買った。明日届く。嬉しくってわくわくして落ち着かないので近所の中古レコード屋へ出かけてみた。
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そこは、つげ義春「無能の人」の世界だった。.......
いきなり恐いものを見てしまった。
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とりあえず店内ぐしゃぐしゃ。在庫が山と積まれて、レコード捜そうにも掘りようがない。どこのかしこも埃でどろどろ。倉庫か店舗か不明な様子。
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ひと昔前には白基調でお洒落だったであろう店内に在庫のレコードやらソフビの玩具やらがほこりかぶって廃棄物状になって積み上げられてて、すかした良い男だったであろう白髪長髪チョンマゲ店主は無精髭でネルシャツをチノパンからはみださせただらしない恰好で在庫の真ん中に棒立ち。居場所がないからだろう。レコードプレーヤーもなければレジスターもなくて、電卓で計算してたし、iPodプレーヤーかなにかで音楽流していた。嘗てカウンターだった場所の前には在庫の山がそびえていたから、レジスターレコードプレーヤーがあったとしても、山に阻まれて近寄れないのだろうが。
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それでも安けりゃ、かわいげもあるが、値札は、往年の高めの設定のまま。全品50%offってなってるんだが、それでもまだ全然高い、今やどれもCDでもYouTubeでも聴けるものばっかりだから稀少性も皆無だっていうのに。在庫に押しつぶされても嘗ての価格帯を崩し切れないんだろう。妄念? こわかった。
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漫画で読む「無能の人」もこわかったが、身近に迫ってくるとさらに迫真的に恐怖を呼ぶ。「あれが出口のないドンヅマリで、僕もあそこの至近距離にいるんだ」ってことなんだろうけど。
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ロバート・クラムがジャケット描いてるCDで、「THE STUFF THAT DREAMS ARE MADE OF」ってあるけど。「ゴミ」は他人にも見えるけど、「夢」の方は自分にしかわかんないもんだもんねえ。
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でも、ヘンリー・ミラー「Quiet Days in Clichy」の映画があるって知ったのは、嬉しかったなあ。YouTubeでみれたけど。女の子連れ込んで酒呑んでセックスばっかする、っていう阿呆の二乗みたいな小説なんだけど、映画もまさにそんな感じみたい。みてみたいねえ。
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新聞屋の頃、ヘンリー・ミラーの「北回帰線」「南回帰線」にはまって、翻訳ないようなので、Quiet Days in Clichyは原書で読んだ。ただのポルノ小説だったけど。懐かしいねえ。
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