おたく


「おたくがあたったらどうだ」とナルティーは言った。
「おい、ちょっと待て」とナルティーは言った。「ただのつまらん軽口じゃないか。ところでおたく、今それほど忙しくないんだろう」
「おたく、警察と面倒を起こしたことがあるだろう。そんことはないとは言わせないぜ。話を耳にしたからな。次に何かもめ事があったときに、味方がいるってのは心強いもんだぞ」
(チャンドラー著/村上春樹訳「さよなら、愛しい人」25頁)



「おたく」だ!
二人称に「おたく」が使われるのを読んだのは、北条司シティーハンター」以来、二度目。実際に口にする人にはまだ出会ったことがない。
日本語の二人称で、「おたく」を使う小説家がいるのか。




二十数年振りの「おたく」。



さよなら、愛しい人

さよなら、愛しい人