ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」四章補足


ベンヤミン卒読「複製技術時代の芸術作品」レジュメ


アウラ」について。

山田大輔によるテーゼ

ベンヤミンの言う「アウラ」は、そのまま、現代TVのスピリチャルやら占いで言う「オーラ」につなげてしまっていいだろう。


☆講義でとりあげた映画:
ビューティフル・マインド

浅田彰が、どっかで、

ナッシュ均衡」という概念を生み出した自信過剰で短気な天才肌の数学者は、精神の不均衡を病みながら、不均衡を不均衡として受け入れ、いわば斜めに傾いだまま、しかし、ゆっくりと歩み続けることを、生涯をかけて学んだのである。
「斜めに傾いだまま、しかし、ゆっくりと歩み続けること」。

と書いてたんだが、発見できない。
探しておきます。


松本ハウスハウス加賀谷へのインタビュー
ハウス加賀谷のお薬の時間です

OG ……、了解です。では、あらためてよろしくお願いします。これは一部の方は知っていることなのかもしれませんが、単刀直入におうかがいしますけど、加賀谷さんはなぜシーンから何の前触れもなく突如消えたんですか?
加賀屋 「病気ですね。心の病気なんですけど、今まで自分からこういう話は発信したことがなかったんですけど、今回は自分から言おうと思って、病名は統合失調症です。日常の生活すら困難になってしまう病気でして、治ることはないんです」
OG 今は完治というわけでは?
加賀屋 「完治というものはないんですよ。今は“緩解”という状態ですね」
OG いつ頃発症されたんですか?
加賀屋 「これはヤバいなって思ったのが中学の頃ですね。『トレマーズ』って映画ご存知ですか? 地面にミミズみたいな怪物が土を盛り上げながら進んでいって人を襲うって映画なんですけど、それと同じことが目の前で起こり始めて」
OG 地面が盛り上がって見えてしまうと?
加賀屋 「そうなんですよ。もうボコーンボコーンって地面がバウンドして盛り上がってきて、歩くことが出来なくなって、壁伝いにソロソロと歩くしかできなくなっちゃって。『こりゃヤバい、トレマーズから非難しなくちゃいけない』って感じになって」
OG それが日常ずっと続いちゃうわけですか?
加賀屋 「ずっとですね、地獄です。それが起こる前も過敏な子どもで、いろいろ感じやすかったんですけど、トレマーズが起きて、表に出れなくなってしまい……。で、病院に連れて行かれて、いろんなお薬を貰ったんですけど、どうやら副作用が自分に合わなかったみたいで、そのまま施設に入ることになるんですよ」
OG 施設というのは、そういった病気で苦しまれている方々が?
加賀屋 「中学の頃からそういうお誘いはけっこうあったんですよ。でも、その頃になるとけっこう酷くなってしまって、野球に例えると『リトルリーグに入らないか』って言われてのが、いきなり中学生でメジャーリーグからお誘いがきた感じです(苦笑)」


TV等に出演してる「オーラが見える」と称する人たちは、必ずしも「ウソ」をついていないのだろうと思う。

実際にある段階では「オーラ」なるものが見えていたのだろう。

ジョン・ナッシュの幻の友人たち、ハウス加賀谷のバウンドする地面。そして、占い師たちの「オーラ」

本人が「見える!」と言うものを「嘘だ!」と言っても仕方ない。
見えるのだろう。

しかし、彼に「見える」ことが、それが「実在」することにはつながらない。

ナッシュの幻の友人は実在しないし、トレマーズのミミズはニッポンにはいない。
同様に、占い師にだけ見える「オーラ」も実在はしない。


そのようなインチキにも見え、統合失調の症状なのかもしれない、特定の人にしか見えないようなものが、「アウラ」であり、特定の人にしか見えないということは実在していないであろうものでありながら、一部の熱狂的な信奉者が宣伝するが故に「実在」するかのように張り付いていたものが、芸術の「アウラ」である。
そして、その「アウラ」は、技術的複製の拡大とともに、消滅して行った。





ボードレール 他五篇 (岩波文庫―ベンヤミンの仕事)

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