みる子の夢



☆みる子の夢を見た。

名古屋市昭和区荒田町の祖母の家へ帰る。母がいた。荒田町の家には、名古屋市千種区高見ユニオンビルの家の窓がついていた。
 
 ケータイが鳴る。小林直人くんからの電話。
「大ちゃん、夜中にミルちゃんのことをみかけたって聞いたよ」と。
ライブハウスへ行って、そこで知り合ったドラマーが、昨日の夜、みる子をみかけたと言っていたそうだ。
ものすごい量の荷物を持った五歳のみる子が、夜、ひとりで街を歩いていた、という。
「そいつもさあ、ナンパしようかと思ったけど、あんまりものすごい量の荷物を持ってたから、声かけなかったんだって」と小林くん。
みる子、家出したんだ、と思って、不安になる。
「それ、どこだったかわかんないかな?」
「うーん、呑み屋で聞いた話だから、正確な場所はわからないよね」
「いや、横浜なのか渋谷なのか青山なのかくらいが分かればいいから」
「うーん、じゃあ、もう一度ライブハウスへ戻って聞いてみるよ」と、電話が切れた。
しばらくして、かかって来る。
「もう、お店、閉まっちゃってて、わかんない。それに移動してたって話だから、そこにはいないんじゃないかな?」
「いや、大体の場所でいいんだけど、わかんないかな?!」
 小林くんとやりとりをしていると、小林くんの後ろで、酔っぱらった今枝がなにやらろれつのまわらない口調でなんか言っているのが聞こえる。

相模原市の家を家出して、首都高の高架下を歩いている五歳のみる子。服やら枕やらを詰め込んでぱんぱんに膨れた鞄を十個以上抱えている。手に三個づつ=六個持つと、それを十メートルくらい先まで運び、また戻って六個持って十メートルくらい運び・・・・と繰り返して、どこかへ向かっている。
杉並区阿佐ヶ谷の僕の家へ来るのもいやなんだ、と思いつつも、ともかく捜さなきゃ、と名古屋市昭和区荒田町の家で焦る。