2ちゃんねるのファリサイ人ども




(アーメン。なんで僕がキリスト教のセッキョウをせにゃならんのだ、と思いつつ書く。アーメン)

8・1 イエスはオリーブ山に行かれた。2 朝早く、再び神殿境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。 3 そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、 4 イエスに言った。「先生、この女は姦通行為をしているところを捕まりました。 5 こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」6 イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。7しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」8そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。9これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。

(「ヨハネによる福音書」8章1節〜9節/「聖書」新共同訳 1987)
ISBN:4820212125




ユダヤ教の「律法」の絶対厳守を求めた一派が、「ファリサイ派」だ。なんとなく、「輸血はダメ!」とかいったトンチキな主張をする原理主義者を想像していたのが、どうもちがうらしい。上に引用した例なぞ、普通に「姦通罪」の現行犯逮捕だ。田川建三によると古代ユダヤ教の「律法」とは、普通に「法律」のことであったそうだ。と、すれば、イエスの活動でひとつの主軸を為していた「ファリサイ派批判」とは、法律の厳密な徹底厳守を求める風潮に対する批判であったことになる。


無記名のままによくわからん正義を掲げて厭がらせに明け暮れる「2ちゃんねる」のモラリストたちを思い浮かべれば、それがファリサイ派だろう。

ミクシィ飲酒運転告白 「冗談」でも勤務先解雇

ミクシィ日記で反社会的行動を告白して、重大な結果を招くケースが相次ぐなか、懲りずに飲酒運転と無免許運転を告白した男性がいた。本人は「書き込みは冗談だった」と釈明したが、勤務先からは「不謹慎な書き込みは容認できない」と、解雇されてしまった。

これ、現場に立ち会った警察官が見逃してるんだろ? なんらかの理由で、逮捕するに値しないと判断したからだ。構成要件該当性に問題があるとしたのか、それとも「犯罪の軽重」を考慮にいれたのか。道交法違反に対しては、よくあることだろう。
それを、だ。
「法律に違反してるんじゃないか!」と、現代のファリサイ人たちが騒いで、ひとりの男を失業させた訳だ。
なんなのかね。
束になった阿呆どもの無益な正義感ほど有害なものはない。


「中学生と性交渉」告白大学生 内定取り消し、退学の危機

埼玉県の男子大学生(21)がミクシィに、キセル未遂行為を自慢する日記を2007年8月18日に書いていたことが分かった。同時に、駅員に暴言を吐いたことを日記に書き、さらに、自らのブログで女子中学生との性交渉などを明かしたため、2ちゃんねるなどで祭り騒ぎになっている。この大学生はIT企業のSEに内定しているが、大学では退学処分などを、会社では内定取り消しを検討している。

これもどうでもいい話じゃないか。なぜ密告したり、「いかがなものか?」とヒマにまかせて執拗に書き込んだり(=厭がらせをしたり)する?
すべては、法の元にか?
反吐だ。


彼らへの対処の仕方は、イエス・キリストが教えてくれている。

1)相手にしない。(地面に絵でも描いて聞こえない振りをして無視する)

しかし、それでも粘着に鬱陶しく書き込むなら

2)論題自体をずらし、相手の根本内省を促す。

2)が出来れば、「救世主」になれるのだろう。同時に「抹殺」されるのかもしれないが。


それにしてもイエスは凄かったのだと、2ちゃんねるmixi騒ぎを見つつ、思う。
弁護士にも司法書士にもなれなかった法学部崩れなのか、それとも単に正義を訴えてみたいヒマをもてあました阿呆どもなのか知らないが、束になって、特定できない匿名性のままに攻撃されたら、持ちこたえるのは、至難だ。それを当意即妙の一言で鎮める。やはりメシアだけのことはある。
「マナー違反だ!」(妙な言葉だ。なんでマナーに違反があり得るのか理解できん。マナーってのは、「良い」とか「悪い」ってもんだろ)の、道交法違反だのには目くじらを立てる癖に、不当労働行為にはなんの異議申し立てもしないネット上のファリサイ人ども。「抗議メールを送ろう!」という呼びかけには、「そんなことをしたら、会社のメーラーがパンクするのではないか? 絶対ダメ!」と反対を表明しながらも、当の問題の不当解雇/不当労働行為については、「いや、その辺のことはよくわからないから・・」と中庸を気取り、自己保身は怠りない。けっ! 西暦30年代でも21世紀でも、ファリサイ派的な連中の良心なんていうのは、そんなもんなんだろう。
マルクスレーニンも無理なら、せめてネット上にイエスが復活して、導いてもらいたいもんだ。鬱陶しくてかなわん。

8・1 イエスmixiにログインされた。2 朝早く、再びコミュに書き込まれると、民衆が皆、御自分のコミュにやって来たので、書き込んで教え始められた。 3 そこへ、法学部出身者たちや2ちゃんねる住人たちが、道交法違反を日記に書いている男のことを書き込み、 4 イエスに迫った。「先生、この男は違反をしていることを自分で書き込みました。 5 こういう男は逮捕され罰せらるるべきだと、法律は命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」6 イエスを試して、訴える口実を得るために、こう書いたのである。イエスは、何か無関係なことを書き始められた。7しかし、彼らが粘着に書き込み続けるので、イエスはようよう答えて書き込まれた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この男を告発しなさい。」8そしてまた、身辺の話を書き続けられた。9これを読んだ者は、2ちゃんVIPPERから始まって、一人また一人と、ログアウトしてしまい、イエスひとりと、男が残った。