「猫の夢」と「アヒルの夢」



夢を見た。

1)家で猫を飼い始めたら、どんどん殖えていって、数百匹の猫で部屋中が埋まった。びっしりの猫がぎっしりと押し込められ、猫の絨毯が敷き詰められたようになっている部屋。敷物と見紛う程に密集した猫たちが蠕動し動き回りはねあがる。どの部屋も猫の糞と小便の異臭が立ちこめ、抜け毛がもわもわ舞い上がり、息をするだけで毛がのどにへばりつく。

2)婆さんが家でアヒルを飼っている。アヒルはブリキの仮面がつけられ、くちばしから頭部のうしろに突き抜ける金属棒が突き刺さっている。たらい大の池の中に鉄製の島がこしらえてあって、アヒルの足はその島に溶接されている。飛べず泳げず歩けないアヒル。チックめいて、時折翼を羽ばたく。羽根が舞い散る。「ハネが散るよ!」と、婆さんが、神経質にどなりつける。アヒルは、そんな格好のまま、もう十年もその婆さんに飼われているのだそうだ。