「暴れてやる! 上昇可能性なんてないんだから」


 自分が答えてるWeb写真界隈のインタビューを読んで、一番気になったのは、「批評空間」系に依存しすぎだよなってこと。実際この十年、殆どそれしか読まなかった訳だから当然といえば当然の結果なんだけど、改めて他人との話でそればっかり出て来ると、自分でもなんだかうんざりする。だめじゃん、と。
 けど、やっぱり浅田彰×田中康夫憂国呆談http://dw.diamond.ne.jp/yukoku_hodan/200603/index.html
浅田が、パリのデモのことについて実にコンパクトに語っている。
フランスの今の法だと一旦雇うとおいそれとはクビにできない。だから「或程度のフレキシビリティを持たせて、雇用を確保しよう」としたら、大デモになっちゃって廃案になっちゃった。でもちょっとびっくりしたのは、今回のデモとその少し前にあった「暴動」とは構成人員がまるきりちがうってこと。「暴動」をしてたのは、もうぜったい「市民」にもいや「小市民」にもなれない層の若年層。彼らは「うぜぇ! 暴れてやるっ!」と暴れてまわってただけで、今回の試用期間付きの雇用法に反対してたんでもなんでもないってこと。かなり、「へえぇ〜」と思った。暴れた連中にとってみれば、試用期間だろうがなんだろうが雇用の機会が増えた方がラッキーみたい。「うん! そうだよなあ」と、フランス人でもないし若年層でもないけど、首肯した。だって、安定雇用なんて関係ないんだもん。
 しかし、こうしてみると、デモってやっぱそもそもが小市民のためのものってことだよね? フランスのデモと日本のデモの差も、フランスの小市民ジュニアと日本の小市民ジュニアの体質的な差異なんだろな。と、すれば、フランスの「暴動」に匹敵するものがないってところに、日本のルン・プロ層の弱さが露呈してるってことかな。

 改めて、「日本のルンペン・プロレタリアートよ、野生化せよ!」と主張したい。
 だって、上昇可能性なんてないんだもん。国家さんやら小市民層さん、特にプチブル左翼さんたちは、そんなもん用意する気なんてないんだもん。プチブル左翼は、「いや、ちょっと待った。 それは如何なものか。剣呑剣呑。組織防衛組織防衛。やめときなさいやめときなさい」って言いたいだけで。