「カフェ・ミュラー」。なぎ倒される椅子テーブル

ピナ・バウシュへ行って来た。http://www1.ocn.ne.jp/~ncc/pina06/content.html

ピナの公演の当日チケットがあるなんて思ってもいなかったです。情報をいただいた、マイミクの活動屋さんにひたすら感謝!

初ピナ。これがピナかあ、と。噂に聞くとおり。 噂というか批評とかでちらちら読んだ予想と余り食い違わなかった。でも、とても凄いものを観たんだな、という感動はありました、「カフェ・ミューラー」!
たくさんの椅子があって、たくさんのテーブルがあって、それらがほとんど障害物としてのみ機能している。ダンサーが前進すると椅子が倒れ、テーブルが倒れ・・・いや女性ダンサーが椅子テーブルに衝突しないように椅子テーブルを脇へ避けることが踊りになっているダンサーがいて。かろうじてのストーリーめくものがちらちらを繰り広げられる中、ピナ自身はほんとにすみのほうにいて、それらと無関係にひとりでいる。とても寂しそうに。
カフェめいた舞台設定で椅子テーブルがばたばた倒れるところなんて殆どスラップスティックのコントと紙一重なんだと思う。勝手にチャップリン「モダン・タイムズ」終盤のカフェから逃げ出すのに左右の椅子のばたばた倒して追跡者をくいとめるシーンとか連想してました。
初演1978年だから、日本だとドリフターズの頃? あの頃、日本でもドイツでも家具等を使ったスラップ・スティックの時期だったのかも。日本ではケーキがとびかい仮設家屋が崩壊するコントがTV放映され、いっぽうドイツでは土まみれになり椅子がなぎ倒されるダンスが公開されていた。

スタバとかでまだテーブルに衝突してなぎ倒す人ってみたことない。テーブルをなぎ倒す人が出て来るようにならないとカフェ文化が根付いたとは言えないのかも。
日本式喫茶店なら、さしずめひっくりかえる砂糖壷かな?
青山真治監督「ヘルプレス」のどろどろ溶け行くチョコパフェってのもかなりに喫茶店的悪夢かも。

他にも諸々のことがあって、とても愉しい一日でした。