思いついて、来週の講義では、「和歌」の話をすることにした。
からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
たびをしぞおもふ
を英訳する必要があるのか・・・・。英訳ないのかのか? ないだろな。
☆
と、思いつつ、念のために検索したら、見事にあった。
スタンフォード大から1968年に出てる。
Helen C. McCulloug
"Tales of Ise: Lyrical Episodes from 10th Century Japan"
ISBN:0804706530
☆
然も、
然も、
これが、
Googleブック検索で読めちゃう!!!
21世紀って偉大な世紀だなあ!
感動している。
惜しむらくは、コピペできない。仕方ないので筆写する。でも読めるだけでも、感動してしまう。
からころも
Karagoromo
I have a beloved wife,きつつなれにし
Kitsutsu narenisi
Familiar as the skirtつましあれば
Tsuma shi areba
Of a well-worn robe,はるばるきぬる
Harubaru kinuru
And so this distant journeyingたびをしぞおもふ
Tabi o shi zo omou.
Fill my heart with grief
なれにし:”having grown accustomed to” & “having grown fond of”
つま:”skirt” & “wife”
はる:”to full cloth” “
はるばる:”distant”
☆
真っ当な翻訳は、・・・
☆
I have a beloved wife,
Familiar as the skirt
Of a well-worn robe,
And so this distant journeying
Fill my heart with grief
ヘルダーリンによるソポクレス的直訳を試みるなら・・・・
O,robe!
well-worn and having grown fond of
my wife and skirts were
distant and those are full cloth
of my journeying, I am thinking
☆
なんで在原業平なんかが必要になって来たかっていうと、ことの成り行きで、ベンヤミンの「翻訳者の課題」の説明をしはじめちゃったから。
学生たち、抽象的な議論だけではまるきり了解できないらしいんだが、数名が食いついて来たので、ちょっと具体的な説明を試みるつもり。
しかし、なんの講義だかわけがわからなくなりつつある。講義してる方は、この上なく楽しんでるんだが、学生の方はどうなのかね。
今のところ苦情はないようなので、まあよしとしよう。
Tales of Ise: Lyrical Episodes from Tenth-Century Japan
- 作者: Helen Craig McCullough
- 出版社/メーカー: Stanford University Press
- 発売日: 1968/06/01
- メディア: ハードカバー
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: ヴァルターベンヤミン,野村修
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/03/16
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 50回
- この商品を含むブログ (77件) を見る